8.2 問題集の選び方
更新日 2021年5月9日
前コラムの通り、「問題集の間違えた問題を3回繰り返す」は効果的な勉強法です。
⇒<8.1 最重要の勉強法!同じ問題集を繰り返す>
ここで気になるのが『問題集の選び方』です。
1~5章で、難関大に合格した人が使っていた問題集を紹介していますが、あくまでこれは「もし悩んだなら最初に検討してもらいたい問題集」という位置付けです。
例えば早稲田/慶應に合格した人と不合格だった人が使った英語長文の問題集をみてください。
全体的に見て、合格者と不合格だった人の使っている問題集に大きな差は見られません。
これは問題集選択が合否を分けるわけではない、ということを示唆しています。
つまり「これを選んでおけば大丈夫」という万能の問題集はなく、自分のレベルや好みに合った問題集を選ぶことが大切になります。
問題集を選ぶポイントは以下です。
①解説が分かりやすく自己完結できること
最優先するべきは、解説が分かりやすくて自己完結できることです。
間違えた問題があったときに解説を読んでも理解できないと、全く意味がありません。
分からないものを分からないままにしただけですから、何もやらなかったのと同じことです。
「翌日に先生の解説を聞くまで答えが分からない」のも最悪です。
問題を解いたその場で自己完結できること、解説が分かりやすいことが絶対条件です。
学校/塾では解説を渡されないこともありますが、本気で勉強したい受験生にとってはどう考えても非効率です。
難関大受験者はそれに気づいているから独学を選ぶ人が多いのかもしれません。
実際、苦労していた受験生が、教科書+問題集で問題を解きながら学ぶと、授業の何倍ものスピードで進めることもあります。
②初見で3~6割解けること
次に大事なのは、初見で解ける問題が3~6割の問題集を選ぶことです。
解ける問題だけの問題集をやっても意味がありません。
勉強の目的は、今できない問題をできるようにすることだからです。
かといってほとんどの問題ができないと、やる気をなくしてしまいます。
なのでパッと見で3~6割は解けそうだな、という問題集を選びます。
もし今使っている問題集で3~6割を解くのが難しかったら悩まず問題集のレベルを下げます。
分かりやすい導入参考書や中学の問題集から始めるのもオススメです。
私が家庭教師で教えている受験生は、医学部や東大を目指している人でも、苦手な教科や単元は中学の問題集から初めてもらって、苦手を克服してもらっています。
まず1冊を繰り返して理解したら、次の1冊は徐々にレベルを上げていきます。
⇒<8.1 最重要の勉強法!同じ問題集を繰り返す>
③問題の傾向が志望校と近いこと
基礎固めの問題集は網羅的に頻出問題をカバーする問題集を選びます。
一方、応用問題集は、志望校の問題の傾向にあっている問題集を選びます。
志望校の問題に近い問題集で訓練することが、合格への近道です。
ちなみに志望校の問題の傾向に一番あっている問題集は『過去問』です。
ここについては以下を参考にしてみてください。
⇒<8.7 過去問で大事なのは問題傾向と合格最低点>
⇒<8.8 難関大合格者は逆算で勉強する>
④好きなレイアウトであること
問題集は1冊につき数百時間と長い時間をかけて取り組むことになるので、レイアウトの好き/嫌いは意外に大事です。
問題の数、色使い、図が多いか/少ないか、などで問題集の好みは分かれると思いますが、極端に言えば自分のやる気が出るなら何でもOKです。
例えば私の個人的な好みでいうと以下です。
- できるだけ薄い問題集
- 余白があってスッキリした問題集
- 図が多い問題集は好き
- 色が多い問題集は嫌い
ですが、他の人であれば全く逆の好みの人もいると思います。それはそれで構いません。
「なんとなく読みやすいな」とか「なんとなくやる気ができるな」という感覚は大事です。
自分が「これならやる気が出そうだな」と思える問題集を選んでください。
本コラムのまとめ
- 万能の問題集はない、自分に合う問題集選びが合否を分ける。
- ①解説が分かりやすく自己完結できる問題集
- ②初見で3~6割解ける問題集
- ③基礎固めは網羅的問題集、応用問題集は志望校の傾向に合う問題集
- ④自分がやる気が出る問題数やレイアウトの問題集